多摩新都市的公園前生活記録

竹 内 幸 哉 (たけうち ゆきや)
時代の転換期にあって、若者がしなやかにたくましく人生を切り開いていくために、学びの場をどうデザインするか、教員にできることは何なのかを考えています。
河合塾教育研究開発本部講師 大正大学総合学修支援機構講師 中央大学法学部講師 佐鳴予備校講師 Enjoy Learning Forum 世話人。
初年次教育。日本語読解・日本語表現。哲学。アクティブラーニング。
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自分の卒業学部、自分の興味関心で会社を選ぶなんて……


大学で学んだ専門知識を前提にしつつ(=○○学部卒)
自分の特性や持ち味をよく把握し(=自己分析)、
自分に合った業種や職種の中から仕事を探し(=企業研究)
就職活動に入っていく……
そんな一般的なイメージがある。

しかし、そうしたイメージが
実は就職活動の現実とはかけ離れたものになっていることに
早く気がつく必要があるのではないか。
まず、日本企業の新卒採用は
多くが「総合職」である(大卒の場合)。
総合職とは営業だろうと企画だろうと総務だろうと
何でもできるということである。

学部の専門性や個人の特性などとは無関係に
配属は決まるし変えられる。
そうした総合的な経験が、
幹部候補としての教育の場になるわけだ。

法学部卒だから、法律知識を生かした仕事、
会計学科卒だから、財務経理の仕事、
などと絞り込むことに大した意味はない。

また、企業は収益を上げるために、
業種の枠を超えてどんどん新しい事業へと転じていく。
かつてソニーと並ぶカセットテープのブランドだったTDKは、
今やパソコンのHDDの磁気ヘッドやコンデンサが主力製品である。
繊維会社の帝人は、医薬品にも進出していたが、
つい最近、
アメリカの自動車会社と提携して
炭素繊維を使った自動車部材の開発に乗り出したと報じられた。
鉄鋼大手のJFEのグループ会社であるJFEライフは
不動産・旅行・保険・機内業務・そして野菜工場など
多角的な経営をしている。

宮台真司はこうした現状に対して
《企業は目標を共有する集団でなく、自己運動するシステムです。共有目標――例えば何を作って儲けるか――自体が、システム存続のためにいかようにも取り替えられます。》
(『宮台教授の就活原論』(太田出版))
と喝破する。

だから、自動車が好きだから自動車会社、
ファッションが好きだからアパレルメーカーなどと
絞り込んでみても仕方がない。

では大事なのは何か?
ここでも宮台真司がまさに僕が言いたかったこと、
言いたかったのだが、うまく言語化できなかったことを
見事に形象化されてくれている。

《企業も企業文化も、企業存続のために変わるかもしれない。だから「適応」ではなく「適応力」を求めざるを得ない》
「適応」と「適応力」はどう違うか?
ある環境に「適応」し過ぎると、
環境が激変した場合、新しい環境には適応できなくなる。
「適応力」は失われる。
つまり、どんな環境にあっても新環境に適応し、
そこで生き抜いていく力こそ「適応力」である。

宮台によれば、
年長世代は「適応」の度合いは高いが「適応力」はすでにない。
一方、
若者は現状への「適応」の度合いは低いが変化する環境への「適応力」はある。

これは、
実はもっと別の文脈で僕が考えていたことと重なる。

この項次回につづく。
JUGEMテーマ:キャリアデザイン


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